〜 いたれりつくせりホタルイカ狩り 〜


いつだったか・・・。

釣友のヤマッチが2年程前に、彼の会社の同僚とホタルイカ狩りに行ったと言う話を聞きつけ、いつか俺様も行きたいと思い続けていた。

根っからの遊び人、釣友KATUと構想を練り続け(実際に練ったのはKATUだけで、俺様は便乗だけどね)、昨年も計画を立てた。
だが、残念な事に天候不順で断念。

やっと二年越しの実現にこぎつけた訳だ。

ホタルイカ狩りは、基本2手法があるらしい。
いわゆる「身投げ」という、海岸線に打ち上がった(または打ち上がりそうな)イカを拾っていくパターン。
そしてもう一つは、光に集まるイカを網で一網打尽(まさに!)にするパターン。

今回挑戦するのは後者。

とはいえ、設備が結構必要。
発電機、投光機、ガソリン携行缶、目の細かい網、長い柄・・・などなど。
こんなの一から準備するのはちょっと無理。業者でレンタルしようとか、有るものは持ち寄ろうとか、工事現場から拝借しちゃうかとか色々と悩んでいた。

そしたらね。
なんと、ヤマッチの同僚が「遊びにおいで」って。
(実際はそんな言い方なのか分かんない。俺らが勝手に良いほうに解釈しただけなんだけど。)

当日の参加者は、KATU、ヨシキ、ヤマッチ、カヅキ、あぁ〜んど俺様の計5人。
つーか、遊び相手が変わり映えしねぇなぁ。

午前6時にヨシキ宅で、カヅキ合流済みのKATUに拾ってもらってヤマッチ宅へ。
全員無事に合流し、八王子を出たのは午前7時半頃。

一路ホタルイカの聖地、糸魚川へ。
糸魚川って何処よ?
なんか新潟の西の方らしい。
新潟って何処よ?
神奈川より結構北の方らしい。

・・・車内で目覚めると・・・銀世界。
おぉ〜い、雪残ってるから。
そろそろ新潟?って確認したら、まだ長野だって。
・・・長野って何処よ?

そんなこんなで寝てたらいつの間にか糸魚川とやらについた。
でも、糸魚川なんて川は無い・・・のかな。
どうやら糸魚川ってのは地名らしい。

まぁ、どうでも良いや。

とりあえず現地合流組と会うべく、場所取りも兼ねて堤防へ。
もうギッチリ人が・・・居ると思ったら点々と釣り人が居る位で、ホタル捕り組は数える程度。
今年はあまり調子が良く無いらしく、ちょっと不安がよぎる。
まぁ、現地人にしてみれば、慌てて捕るほど珍しいモノでもないのかもね。

  

場所取りして現地組と合流すると「せっかく遠くまで来たんだから観光しておいで」と、優しいお言葉。

荷物おろしだの設置だのも全てお任せ。
まさにいたれりつくせり。

お言葉に甘えて観光に・・・って言っても、時間の制約もあるし、何っにもねぇ!
いや、本当はソコソコ観光名所があるようなのだが、目的はホタルイカ。
何の下調べも無しに来たから、どうして良いか分からなくって。

勧められた「マリンドーム能生」。
ズワイガニの試食が出来るからって言われて、とりあえず行ってみた。

  

かにや横丁ではお姉さん方から甘ぁ〜いお誘い。
「ほらお兄さん、食べてみてぇ〜」って。
ひぇ〜怖いよぉ〜・・・一口食べたら買うまで帰してくれなさそうだよぉ〜。

鮮魚センターでは、もう色々な魚が並んでいて、そりゃもう楽しい!
こっちでは店頭に並んでいるのを見たことも無い魚だけでなく、名前すら知らなかった魚もゴロゴロ居る。

その筆頭が・・・幻魚(げんぎょ)。
楽しすぎて写真を撮り忘れたので、マリンドーム能生のHPから写真を拝借。

  

なんでも、エビを捕ると一緒に網に掛かる魚で、見た目から市場に出回る事が無く、漁師の間でだけ食べられていた深海魚だったんだけど、実は美味しいって評判になったそうで。
流石に生で持ち帰る事が出来ないので、店頭に干された干物に惹かれ・・・。
でも美味しくなかったらどうしよう・・・一串で12匹とか刺さってるし。

するとヤマッチが「半分づつにしましょう」って気を使ってくれて。
いや、安いしまずけりゃ捨てれば良いのかもしれないけどね。
ここはお言葉に甘えて。

色々見て回って、嫁への土産として地酒を購入し、飯を食いに・・・ガストへ。
なんで新潟くんだりまで来てガスト。
海外のグルメツアーに行っておきながら、マズイ日本食を食うみたいな。
いや〜、普通は地魚料理とか食うんじゃねぇ?って思うんだけど、ほら、目的はホタルイカだし。

飯食って一服して、釣具屋で時間潰し用にエサとか買って、スーパーで酒やら夜食やら買って、いざ、ホタルイカ狩りへ!!

ってか、ホタルイカ捕りにいくまでの話が長ぇ。

夕マヅメ狙いで竿を出すメンバー。
だが釣れない。ほら、本命はホタルイカだし。
かろうじてKATUがブラクリでカジカという魚を2匹Get。
見た目はアナハゼなんだけど、口の中は青くない。

最初のうちはテンション高めで、今か今かとイカの寄りを待つのだが・・・来ません。
全然イカなんて居ません。
寄ってくるのはプランクトンと白魚。
この白魚すくって、いっぱい集めてポン酢で食いてぇ〜とか思っていると、何処からともなくピンク色の物体がチラホラ。

来たぁ〜ホタル来たぁ〜!!

とりあえず青い光を見ようってんで、1匹捕まえて見た。
すっげぇ幻想的。
なんでこんな光をだすんだろう。
夜光虫なんか目じゃない!超感動。子ども達に見せてやりてぇ〜。

だが、その一匹はKATUの胃袋へ。
あ、ちゃんと腹は取ったよ、虫が居るかもしれないからね。

しばらく待つと、十数匹程度の群れが行ったり来たり。
なかなか集まらないが、少しずつすくい始めた。

うぅ〜ん、水汲みバケツ一杯になるまで、すげぇ時間がかかる。

想像していたよりもかなりキツイ。

全然捕れない時もあるらしいから、まぁこの程度でも取れれば良いのかもなぁ。

そうこうしているうちに、雨が降り出し強制退去。
大急ぎで荷物を片づけ、車のほうへ向かう。

すると、現地の仲間たちが陣取った別の場所では・・・。

祭りだワッショイ!!

すげぇ!イカが湧いてるぅ〜!!

雨も止み、一緒になってすくわせてもらって、みるみるクーラーが一杯になっていく。
バッカンだって、もう満杯。

まだ捕るのかぁ〜!?って現地組も笑いながら嘆く程の大漁だぁ〜!!
こりゃぁ〜楽しい。

途中、タモ網が柄から外れて海底に沈んでいくハプニングも、ヨシキがジグで釣りあげ事なきを得たり。
もう、一心不乱にすくい続ける。

そろそろイカも少なくなってきたかなってタイミングで、雨が本降りに。
流石に撤収でしょ。

用意されたビニール袋にバケツでイカが配られる。

「全部で何人だぁ?」
「ひぃふぅみぃ・・・十三人だな」

どぼどぼ注がれるホタルイカ。
なんとなくありがたみが薄れていくこの光景。

もうクーラー入らないって断っても、良いから持っていけって。

そんなこんなでずぶ濡れになって車に戻り、さっさと撤収となった。

・・・帰りの車もぐぅぐぅ寝まくり。

往復700km。
不眠で運転し続けてくれたKATUと、満天の星空を見せてくれた能生の夜と、幻想的な光を見せてくれたホタルイカ、そして何より、この機会を与えてくれた現地の皆さんに本当に感謝感謝の一晩でした。


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帰って、早速、幻魚を食べた。
見た目はグロテスクだけど、シシャモみたいで味が濃く、非常に美味。
酒が進みます。

ホタルイカは虫が怖いので、当日はボイルした。
市販のそれとは明らかに異なり、濃厚なミソが絶品!!
(子ども達は「グチュっとして気持ち悪い」と言ってたけど。)
またまた酒が進みます。

冷凍して一週間。
沖漬を食べてみた。
きゃぁ〜美味しいよぉ〜!!
酒がぁ〜酒がぁ〜!!グイグイいけるぜぇ〜!!
(嫁は「ボイルのほうが好き」と言ってたけど。)

隣近所に配りすぎたか。
まだまだ色々な食べ方を試したいけど、残りが大分少なくなった。

来年も、是非遊ばせて頂きたい!
ヤマッチ、現地の方々にお礼と、来年のお願いよろしくねぇ〜!



HOMEMENU